AIで肌をなめらかにした写真や、AIで作ったイメージ画像。手軽に使える一方で、化粧品のPR投稿に使ってよいのか気になりませんか?
化粧品の広告表現は、薬機法(医薬品医療機器等法)と「医薬品等適正広告基準」でルールが決められています。この記事では、厚生労働省や東京都、大阪府などの公開資料をもとに、美容垢がPR投稿でAI加工・AI生成画像を使うときの注意点をまとめました。
薬機法の広告ルールはインフルエンサーにも関係する
薬機法第66条は、「何人も」化粧品などの効能・効果について、虚偽または誇大な広告をしてはならないと定めています。
東京都の資料では、この「何人も」はメーカーや販売店に限らず、アフィリエイターなどの広告媒体事業者も含むと説明されています。ステマ規制とは違い、インフルエンサーやアフィリエイターも関係するルールだと考えておく必要があります。
また、医薬品等適正広告基準は、ウェブサイトやSNSを含むすべての媒体の広告が対象です。
化粧品で言える効果は決まっている
化粧品の効能として表現できる範囲は、56項目に決められています。たとえば「乾燥による小ジワを目立たなくする」は、その効能を確認した場合に限って表現できる項目です。
この範囲を超える効果をうたうことはできません。キャプションだけでなく、画像や動画で効果を見せる場合も同じです。
ビフォーアフター写真のルール
2017年の基準改正で、化粧品の広告でも使用前・使用後の写真を使えるようになりました。ただし、東京都の資料では、写真などを使って次のように誤認させる表現は認められないとされています。
- 承認された範囲を超える効能・効果
- 効果が出るまでの時間や効果が続く時間
- 安全性を保証するような表現
AI加工・AI生成画像はどう考える?
今回調べた範囲では、厚生労働省、消費者庁、東京都から、AIで生成・加工した画像に特化した指針は見つかりませんでした。
そのため、通常の広告ルールの考え方がそのまま当てはまると考えておくのが安全です。
- AIで肌の質感を変えた写真を「使用後」として見せると、化粧品の効果を誤認させるおそれがある
- AIで作ったイメージ画像でも、効果を保証するような見せ方は避ける
- 医薬品等適正広告基準の解説では、模式図やアニメーションについても、効能効果を保証する表現にならないよう注意するよう求めている
AI生成画像は、背景や雰囲気づくりなど、商品の効果と関係しない部分に使うのが安心です。商品そのものや使用前後の肌は、加工しない実際の写真を使いましょう。
使用体験談のルールにも注意
医薬品等適正広告基準の解説では、「私も使っています」といった使用経験や体験談の広告は、原則として認められないとされています。例外として、化粧品の使用感(テクスチャーや香りなど)を伝える表現は認められています。
東京都の資料でも、効果や安全性についての使用体験談は認められないとされています。
「個人の感想です」と書けば大丈夫?
消費者庁の調査報告では、「個人の感想です」という表示があっても、体験談から受ける「大体の人が効果を得られる」という認識はほとんど変わらないとされています。打ち消し表示を入れれば効果をうたってよい、というわけではありません。
違反するとどうなる?
薬機法には、虚偽・誇大広告に対する課徴金制度があり、2021年8月から始まっています。課徴金の額は、対象期間の売上額の4.5%です(225万円未満の場合は命令されません)。
PR投稿前のチェックリスト
- 化粧品の効能の範囲を超える表現になっていないか
- 「治る」「消える」など、効果を言い切る表現になっていないか
- 使用前後の写真をAIやフィルターで加工していないか
- AI生成画像を、効果を示す画像として使っていないか
- 体験談が、効果や安全性の保証になっていないか
PR表記の書き方はインスタのPR表記の正しい書き方、キャプションや画像づくりに使えるAIは美容垢のAI使い分けまとめで紹介しています。
AI生成コンテンツのラベル表示
薬機法とは別に、インスタを運営するMetaは、AIで作成・加工したリアルな動画や音声を投稿する際、開示ツールを使うよう求めています。AIで作った画像・動画には「AI情報」のラベルが表示される場合があります。
参考・出典
- 医薬品等の広告規制について(厚生労働省)
- 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等(厚生労働省)
- 医薬品等適正広告基準に関するQ&A(厚生労働省)
- 医薬品等適正広告基準(東京都保健医療局)
- 医薬品等の広告について(大阪府)
- 打消し表示に関する実態調査報告書(消費者庁)
- AI生成コンテンツのラベル表示(Meta)
※情報確認日:2026年10月25日。行政機関などの公開資料をもとにまとめた記事で、法律相談や個別の判断に代わるものではありません。具体的な表現の可否は、依頼企業や専門家、各都道府県の薬務担当窓口に確認してください。


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