「メールとか資料作成とか、音声で文章作れたらなぁ… そうだ、音声入力を使おう!Windowsのデフォルト音声入力アプリを使ってみよう…重くて全然動かないじゃないか!キーボードのように、マイクのような音声入力のインプットデバイスないかなぁ…何?音声入力のスマートマウスと言うものがあるのか!買ってみよう!」
そう思い、あまり詳細を確認せずにポチッと6000円の音声入力スマートマウスを購入した筆者が、開封後3分で絶望した理由をまとめます。
端的に結論を言うと、音声入力は以前よりも知名度が上がっていますが、まだまだ実用には程遠く、特に仕事などセキュリティーが関連する分野では使用できません。
音声入力スマートマウスはオンラインでの使用を前提としている
2022年現在において販売されている音声入力のスマートマウスは、基本的にオンラインでの使用を前提としています。数年前からオフラインでの使用が想定していくつかのプロダクトや開発が行われているようですが、現場一般人が簡単に手に入りサクッと使用できる、オフライン前提の音声入力スマートデバイスは存在しません。
つまり、インターネットに接続していないと音声入力は使えないのです。最近はGoogleが開発しているアンドロイド用の音声入力はいつの間にかオフラインでも使用できるようになっていたようですが、現在WindowsやAppleが作っている音声入力はオンラインでの使用が前提です。 つまり、あなたが話した音声はあなたの目の前のパソコンやスマホなどのデバイスの中で処理しているのではなく、一度アップルやGoogleやそれら音声入力システムを作っている会社のサーバーにデータが飛び、そこで音を文字に解析して結果を返してきています。したがって
- インターネットに接続できない社内用パソコンは音声入力を使用できない
- 音データがインターネットを通り、文字データになって戻ってくるためセキュリティーが問題
このような問題があります。
専用のアプリやシステムのインストールが必要
端末デフォルトの音声入力以外の音声入力を使用する場合、マウスやマイクなどの音を聞き取るデバイス本体を入手する以外に、音声入力を使用したいデバイス(パソコンやスマホなど)に専用のアプリをインストールする必要があります。セキュリティーの厳しい社用PCでは社外アプリのインストールは不可能ですね。あなたが話す音声はそのアプリを介してサーバーに届けられ戻ってきたり中でデータの解析が行われるので、絶対インストールが必要になります。
社用PCで音声入力を使い仕事をすることは現状不可能
ここまでで明白なように、社用PCで音声入力を使う事は現場不可能と言って良いでしょう。解決策は今のところありません。強いて言うならば、変にあがいて無駄な6000円の買い物をせずに黙ってパソコンをタイプしタイピングのスピードを早める方が良さそうです。
音声入力スマートマウスは有能なのか?
ここまで制限が来ると、逆にどのような環境であったら音声入力のスマートマウスを購入すべきでしょう。 そもそもオンラインでネットが使える状態であれば、パソコンに内蔵されている音声入力アプリを使えば良いので、音声入力スマートマウスを購入する必要がありません。
翻訳したい時
音声入力スマートマウスの売り文句に、即時で翻訳ができることが挙げられます。それこそ性能が問題になってきますが、今日本語で話したことが英語や中国語など一瞬で別の言語に変えられると言うのはとても大きなメリットかもしれません。
個人的には、使えない言語を使う必要を迫られる場面はどのようなものかと少し興味があります。また、音声入力の翻訳は誤訳を自身で修正する必要がありますが、言語の翻訳にはそれなりの能力が求められます。それなりの能力がある人はそもそも英語や入力中国語で音声入力をするのでは?とも思ってしまいました。
しかし、これまでになかった機能が生まれると新たな需要が生まれるのでしょう。完璧に正確な翻訳を求めていないけれど、これまでに全くコミニケーション取れなかった人たちがなんとなく意思の疎通ができるようになるというメリットがあります。
日本語しか話せない人も海外のお客さんとやり取りができるなど、音声入力はそれなりの需要があるのかもしれません。
しかし、今のところ作業効率化を図るオフィスワーカー向けではないようです。
筆者は引き続き在宅ワーカーの職場環境向上に努めます。
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